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エリアマーケティングに必要なデータとは?種類や活用する際の注意点を解説


マーケティング手法の一つに、地域に特化して営業戦略を立てて行うエリアマーケティングがあります。
全国の地域ではなく、特定の地域の特徴などに合わせてマーケティングを行い、顧客満足度の向上や売上アップを目指します。
しかし、エリアマーケティングに使用できるデータは膨大な種類があるため、自社にとって必要なデータをどのように選べば良いかと悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
本記事では、エリアマーケティングに必要なデータの種類や活用する際の注意点などを解説します。

目次[非表示]

  1. 1.エリアマーケティングとは?
  2. 2.エリアマーケティングに必要なデータとは
    1. 2.1.国勢調査
    2. 2.2.住民基本台帳 人口移動報告/人口推計
    3. 2.3.経済センサスデータ
    4. 2.4.交通センサスデータ
    5. 2.5.流動人口データ
    6. 2.6.推計年収別世帯数データ
    7. 2.7.ジオデモグラフィックデータ
  3. 3.エリアマーケティングでデータ活用する際の注意点
    1. 3.1.自社の課題や目的を明確にする
    2. 3.2.柔軟な利用を意識する
    3. 3.3.地域の特性を理解する
    4. 3.4.自社で実施する場合難易度が高い
  4. 4.エリアマーケティングに精通した人材が不足している場合は外注する
  5. 5.エリアマーケティングならエリアインテグレーションにお任せください
  6. 6.エリアインテグレーションによるエリアマーケティング活用事例
  7. 7.まとめ


エリアマーケティングとは?

エリアマーケティングとは、地域の特性に基づいたマーケティング手法のことです。
「地域密着型マーケティング」とも呼ばれており、エリア特性による集客の影響が大きい店舗型ビジネスなどの場合は、必須のマーケティング方法といわれています。
該当するエリアの「家族構成」「年齢層」「男女比」「交通インフラ」などを調査し、どのような営業戦略を立てるのかを検討します。
エリアマーケティングを実施すれば、エリア内にいるターゲット層の割合を把握することが可能です。
また、商圏内の競合他社の把握も併せて進めておくと差別化を図ることができ、有利にマーケティングを展開できるようになるでしょう。

エリアマーケティングのメリットは、以下のページでもご確認できます。
エリアマーケティングのメリットとは?デメリットも併せて解説


エリアマーケティングに必要なデータとは

書類を確認する女性

エリアマーケティングを実施するためには、商圏内のさまざまな情報を収集して精査する必要がありますが、目的によって必要なデータは異なります。
エリアマーケティングに必要なデータは、主に7種類挙げられます。

  • 国勢調査
  • 住民基本台帳 人口移動報告/人口推計
  • 経済センサスデータ
  • 交通センサスデータ
  • 流動人口データ
  • 推計年収別世帯数データ
  • ジオデモグラフィックデータ

それぞれのデータについて詳しく見ていきましょう。


国勢調査

国勢調査は、日本に住んでいる人や世帯を対象とする重要な統計調査です。
国内の人口や世帯数、住居状況、職業などの実態を明らかにするため、5年ごとに情報の更新が行われる大規模な調査であり、比較的正確なデータともいえます。
国勢調査のデータを基に商圏分析すると地域の特性や消費者の傾向を理解しやすくなり、出店可否の判断や商圏特性に応じた品揃えの展開ができるようになります。
エリアマーケティングを行う際、まずは該当エリアの家族構成や年齢層、男女比などを把握することが大切です。
国勢調査のデータは、総務省統計局のホームページから取得できます。


住民基本台帳 人口移動報告/人口推計

住民基本台帳とはその地域の住民に関する基本情報を把握するためのデータであり、住民基本台帳 人口移動報告はその住民基本台帳に基づいて人口移動を明らかにするデータをいいます。
都道府県別や大都市別の転入・転出の状況が調査されており、国勢調査と比べるとタイムリーな情報を入手できるのが特徴です。
一方、人口推計は将来の人口動向を予測するために必要なデータです。
国勢調査の人口を基に出生や死亡、出入国などの人口動向から各月・各年ごとに人口を算出し、それぞれの情報から将来の人口動向を推計します。
上記の情報を活用してエリアマーケティングを行えば、エリアの特性に合わせた最適な戦略を立てられるようになるでしょう。
人口稼働報告や人口推計のデータは、総務省統計局のホームページから取得できます。


経済センサスデータ

経済センサスデータは日本全国にある企業を対象に、各地域の産業別で就業者数や事業所数、売上高などの経済活動を調査したデータです。
この情報を活用すれば、特定の地域の経済状況や産業構造、市場規模などを把握でき、ターゲット密度を地図上で可視化できます
たとえば、小売業に焦点を当てたエリアマーケティングを展開したい場合、その地域にある小売業における経済活動を把握すれば小売業市場の動向や競争状況を理解することが可能です。
このように地域の経済活動への理解と戦略の策定で役立つ情報ですが、5年ごとに行われている調査なので正確な情報がほしい場合は他のデータと組み合わせると良いでしょう。
経済センサスデータは、総務省統計局のホームページから取得できます。


交通センサスデータ

交通センサス(全国道路・街路交通情勢調査)データとは、交通行動調査や道路交通調査などから得られるデータです。
交通行動調査では特定の地域に住む人に対し、「どのように移動しているか」「目的は何か」「どのような交通手段を用いているか」などの情報を得られます。
このデータにより、特定の地域の特徴やライフスタイルなどがより明確に把握することが可能です。
一方、道路交通量調査は道路を利用する各種車両の数や種類、通行時間帯などの情報を得ることができ、地域の状況やアクセス性を評価する際に重要な指標となります。
エリアマーケティングにおいて、交通センサスデータは消費者の動向や地域性を理解し、効果的なマーケティング戦略を立てる上で必要不可欠な要素です。
交通センサスデータは、国土交通省ホームページから取得できます。


流動人口データ

流動人口データとは、該当エリア内の一日の人口移動を把握するためのデータです。
主に通勤や通学、出張、旅行などによって住んでいない場所へ一時的に訪れる人の数を調査したものです。
流動人口データを活用すれば、「どの地域のどの時間帯にどれだけの人が集まるのか」「どのような行動やアクションを起こすのか」などを把握でき、効率的なマーケティング戦略を策定できるようになります。
たとえば、地域内に大型商業施設がある場合、流動人口が多い時間帯や場所で商材の告知をすれば、より多くの人に見てもらうチャンスを増やすことが可能です。
また、地域内に新たな商業施設を開設する際の参考にもなり、流動人口が多い場所や時間帯に合わせて新規店舗の立地や営業時間を決定すると集客力を向上させられるでしょう。


推計年収別世帯数データ

推計年収別世帯数データとは国勢調査などの情報を基に推計されており、特定地域の世帯がどのような年収区分に属しているかを示すデータです。
地域に住む人の所得状況を把握できれば、その地域の消費力や消費傾向を理解できるようになります。
たとえば、高所得者層が多い地域なら高価な商品やサービスの提供に適している場合が多く、逆に低所得者層が多い地域では価格を抑えた商品やサービスが求められる傾向にあります。
推計年収別世帯数データは、市町村別で詳細な情報が必要な場合や、地域特性に基づいた商品開発や販売戦略を立てる際に有効です。


ジオデモグラフィックデータ

ジオデモグラフィックデータとは、地理的な位置情報や人口構成などの地域特性を示すデータのことを指します。
具体的には、人口密度や年齢層、所得階層など、地域に住む人の特性を数値化し、ライフスタイルごとにグループ分けした情報です。
ジオデモグラフィックデータを活用することで、エリアマーケティング戦略に大きな影響を与えます。
たとえば、高齢者が多い地域では健康食品やエイジングケア商品の需要が高まる可能性があり、若者が多い地域では、ファッションやガジェットの需要が高い傾向にあります。
ジオデモグラフィックデータを基にマーケティング戦略を立案すれば、より効果的な販売戦略を描くことが可能です。
また、ジオデモグラフィックデータは各地域の特性を理解する手段としても有用であり、消費者のニーズにきめ細かく対応したマーケティングが展開できるようになるでしょう。


エリアマーケティングでデータ活用する際の注意点

エリアマーケティングでデータを活用する際の注意点として、以下の4つが挙げられます。

  • 自社の課題や目的を明確にする
  • 柔軟な利用を意識する
  • 地域の特性を理解する
  • 自社で実施する場合難易度が高い

ここでは、それぞれの注意点を詳しく解説します。


自社の課題や目的を明確にする

エリアマーケティングを実施する際、まずは自社の課題や目的を明確にすることが必要不可欠です。
データを解析する目的が明確になっていれば必要なデータを適切に抽出し、効率的な分析を実現できます。
たとえば、自社の目的が若年層の顧客獲得であれば、若年層が集まる地域やその消費傾向などを把握するデータが必要です。
また、新店舗の出店地決定の場合なら人口密度や競合店舗の状況など、そのエリアの商業状況に関わるデータが欠かせません。
自社の課題や目的によって必要なデータは異なるため、データを単純に収集するだけでなく、何のためにそれが必要なのかを明確にすることが大切です。


柔軟な利用を意識する

エリアマーケティングを成功に導くためには、データの柔軟な利用を意識することもポイントです。
たとえば、国勢調査のデータを使用して地域の人口を確認するだけではなく、年齢層や性別、職業などを組み合わせて分析すれば地域の特性や消費傾向をより深く理解できます
また、経済センサスデータや家計調査年報などを活用する場合は該当地域の経済状況を把握するだけでなく、地域民のライフスタイルや価値観を知るために利用すると良いでしょう。
データは単なる情報ではなく、マーケティング戦略を練る上での貴重なヒントであり、どのデータにも可能性が満ち溢れているので、柔軟な思考で多角的な活用をおすすめします。


地域の特性を理解する

地域の特性を理解することも、エリアマーケティングにおいて重要な要素です。
たとえば、該当地域に住む人の年齢層や性別、職業、収入水準などの情報は、商品やサービスの需要を予測し、適切なマーケティング戦略を立てる上で欠かせません。
また、地域の地理的特徴や歴史、文化などを理解しておくことも効果的なプロモーションを行うために必要不可欠です。
このように、マーケティング活動を行う地域の特性を把握して基づいた戦略を立てることが求められます。


自社で実施する場合難易度が高い

エリアマーケティングのデータ活用を自社で行う場合は、どうしても難易度が高くなりがちです。
エリアマーケティングでは国勢調査や商業統計など、膨大な量のデータを扱いますが、各データを適切に解析し、有用な情報を抽出するためには高度なデータ分析スキルが求められます
また、各地域の特性を把握し、それに基づいたマーケティング戦略を立てる能力も必要なスキルです。
自社内に上記の能力を持つ人材がいない場合、エリアマーケティングは一筋縄ではいきません。
そのような場合は、専門的な知識やスキルを持つ外部の専門家に依頼することを検討しましょう。


エリアマーケティングに精通した人材が不足している場合は外注する

握手

上述したように、エリアマーケティングを実施するためには地域特性を掘り下げたりデータ分析して戦略に反映できたりする専門的なスキルが求められます。
しかし、中小企業やスタートアップ企業の場合では、人材や時間、リソースが足りない場合も少なくないでしょう。
そのような場合は外部の専門家にエリアマーケティングを委託することを検討してみてください。
外部の専門家には、エリアマーケティングの実施経験が豊富でデータ解析や戦略立案に精通した人材が多くいます
また、最新の市場トレンドやデータ利用技術にも習熟しているため、より早く効果的な結果を引き出すことが期待できます。


エリアマーケティングならエリアインテグレーションにお任せください

エリアマーケティングの外注を検討しているなら、全国にポスティングネットワークを構築するエリアインテグレーションにお任せください。
地域に特化したマーケティング支援を行っており、全国47都道府県の約3,300万世帯をカバーしています。
また、独自のシンプルな実施体制を構えており、クレーム対応などのトラブル回避や情報の行き違いなどを防ぐことが可能です。
複数のエリアメディアを組み合わせて最適なプランを提案するので、最適な販促を支えています。


エリアインテグレーションによるエリアマーケティング活用事例

エリアインテグレーションが実際に行ったエリアマーケティングの活用事例として、チラシの活用をメインとした販促を展開したケースがあります。
新聞折込チラシで集客を図っていましたが、購読者数の低下などに伴い、クーポンの回収数が伸び悩んでいました。
そこで、集客をつなげることを目標に新聞折込チラシに加え、ポスティングや新聞無購読媒体を併用した結果、以前に比べてクーポンの回収率が0.9%から1.3%に向上し、1.5倍になりました。


まとめ

エリアマーケティングは地域特性を最大限に活用し、効果的なマーケティングを実現する手法です。
エリアマーケティングを成功させるためには、国勢調査からジオデモグラフィックデータまで、さまざまな種類のデータが必要となります。
しかし、データを活用する際は自社の課題や目的の明確化、柔軟な利用や地域の特性の理解などの注意点を押さえておくことをおすすめします。
また、自社での実施が難しい場合や専門的な知識が不足している場合は、外部の専門機関に依頼することも視野に入れましょう。
エリアマーケティングに関するご相談であれば、ぜひ一度エリアインテグレーションにご相談ください。